清水行雄写真展

2011年10月1日(土)-10月16日(日)
10:00-18:00 (入館は17:30まで)
火曜日休館/入館無料
主催:多摩美術大学

かつて、清水行雄は自分の写真のスタイルを語るのに、ジョージ·ジェンセンの銀器をあげたことがあった。作家性をいっさい感じさせない工藝の極みをモデルとしたいということだろうか?たしかに、自己主張というものより、被写体のフォルムや質感に語らせるという点で、これほどストイックな写真家も稀だろう。早くからその技術の高さを賞賛されながら、論じられることの少なかった寡黙なスティルライフ·フォトグラファーについて、3つのアプローチが有効と思われる。1·ポスター類(B全版24点)と2·プロダクト写真静物(B全版30点), この2つのカテゴリーに属する作品には「鏡面仕上げ」そして「メタリック」な被写体を撮影する代表的取り組みが含まれる。
そこには「光が創るフォルム」「フォルムが映す光」があり、光陰と造形、作家のシビアな「対話」が満ちている。また、スタジオにて被写体と交わされた濃密な「対話」はライティングとの格闘であった。人工の光を操作することは、表すべき姿を抽出しつつ、その他を削ぎ落とし作家の意図の下に被写体が持つ造形の本質を開示するための、必然的な意味を持っている。やや比喩的な表現ではあるが、ここに見る作品群は、清水が確立してきたスタイルと目指した表現を語る「率直な証言者」であるに違いない。

もうひとつ、スタジオを出て自然光の下で撮影をしているのが、3.パーソナルワーク。禁欲的なスタジオから抜け出した写真家は、その解放感に身をゆだねるというよりは、むしろ自然光の放恣さ、新しい「光のスケッチ」に熱中しているかのようだ。大地や海原や空のパースぺクティブの下、清水行雄の生地ともいうべき寛容さや温かみが引き出されている。抗し難い自然の光を畏怖しているようなBlack & Whiteの画面の、敬虔な美しさはどうだろう。光のマエストロ、清水行雄のみずみずしい作品に、あらためて意表をつかれるだろう。

YEAR
2011
GENRE
デザイン・アート
SIZE
A4
TASTE
シンプル
COLOR
WHITE

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