ブルーノ・ムナーリ 役に立たない機械をつくった男
イタリアの美術家でありデザイナーのブルーノ·ムナーリ(1907-1998)は、一風変わった本を長年にわたって制作しました。綴じられた紙の色も形もさまざまで、文字は印刷されていません。めくることができる抽象絵画のような本です。<読めない本名付けられ、紙の質感と色彩の変化で物語がつくられていきます。
ムナーリの活動は、1920年代末にイタリア未来派の一員として始よりました。未来派は、伝統的な表現を否定し、新時代の美術を創造しようとする運動です。そのなかでムナーリは、色をつけた木片をいくつか糸で繋げ、天井から吊るして風で動く<役に立たない機械>を発表しました。作品が動くということ、見る人が参加して作品が成立することは、第二次世界大戦後に制作された絵画やオブジェ作品、インダストリアル·デザインの仕事でも重要な要素となっています。
それはムナーリが、とても簡単な方法でものの形や見方を変えられるということを多くの人が知り、誰もが創作する楽しみを得て新しい目で世界と接するべきだと考えていたからですそのため晩年には子どものためのワークショップに力を注ぎ主した。
本展覧会は、初期のイタリア未来派時代の絵画から晩年の絵本原画やデザイン作品まで、日本国内の所蔵品に日本初公開となるイタリアのコレクションを多数加えた約300点で、ブルーノ·ムナーリの活動の全容をご紹介します。ムナーリが伝え続けた見ること·作ることの喜びを、ぜひ体感してください。
会期:2018年11月17日(土)~2019年1月27日(日)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日: 毎週月曜日、12月29日(土)―1月3日(木)
※ただし2018年12月24日(月・振替休日)、2019年1月14日(月・祝)は開館、翌2018年12月25日(火)、2019年1月15日(火)は休館。
会場:世田谷美術館 1階展示室
主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、読売新聞社、美術館連絡協議会
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館、世田谷区、世田谷区教育委員会
協賛:ライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜、日本テレビ放送網
協力:アリタリア‐イタリア航空、日本通運
特別協力:特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会
出品協力:パルマ大学CSAC
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