転換期の作法

転換期の作法ーポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術ー

20世紀末から21世紀初頭にかけてまさに激動の時代を体験している、中東欧地域の現代美術を紹介することが本展覧会の目的です。
これまでにも、この地域の現代美術を含む展覧会は開催されたことがありますが、主として90年代以降に焦点を絞った本展覧会は日本で初めての試みです。とりわけ今回は、ハンガリー、チェコ、スロヴァキア、ポーランドの4カ国出身の作家たちを選びました。

1989年、旧東欧諸国では雪崩を打って社会主義体制が崩壊しました。そして2004年5月には、上記4カ国を含む10カ国がEUへの加盟を果たしています。
古い価値体系が覆された後にやってきたのは、必ずしもユートピアという訳ではありませんでした。弱者救済の措置が十分に執られることもないまま、貧富の差は開く一方だといいます。そのような、いわば「資本主義的ジャングル」の中で生き延びるための様々な戦略が必要とされており、作家たちもまたその例外ではありません。

たくましく生き延びるための技法として、地に根を張る確かさと、臨機応変の柔軟さ、そしてユーモア精神が見て取れるのではないでしょうか。ここから、私たちにとっても大いに勇気づけられるような作風が生まれ、また一見超現実的に見えたとしても、実は確かな観察力と奥深い洞察に満ちた作品の制作につながるのだと言えます。この展覧会をきっかけとして、極東アジアと中東欧とが相互に影響を与え合いながら、共鳴する未来、共に生きる世界に向けての模索を行なうことができればと期待しています。

主催:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)、国立国際美術館、広島市現代美術館、東京都現代美術館

YEAR
2005
GENRE
デザイン・アート
SIZE
A4
TASTE
シンプル
COLOR
GREEN

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