絵巻 山中定盤
「山中常盤」-牛若丸と常盤御前
母と子の物語-(カラー/スタンダート/100分)
絵巻「山中常盤」のあらすじ
源氏の御曹司牛若丸は、15歳の春のころ、奢る平家を討伐せんと鞍馬寺を抜け出し東への旅に出る。そして、栄華を極める奥州、平泉の藤原秀衡の館へと迎え入れられた。
一方、京の都にいる牛若丸の母、常盤御前は、我が子を見失い悲しみに沈んでいた。牛若丸との再会を願い神仏にお参りを重ねるも何の御利益もなく、嘆き暮らしていたある秋の日、平泉の牛若丸からの手紙が届く。常盤ははやる気持ちを押さえ、春を待ち、侍従1人を供として、平泉への旅にでたのだった。川を渡り、峠を越え、いくつもの宿場を過ぎ、美濃の国、山中宿までただどり着いた常盤だったが、長旅の疲れからか、牛若丸を想う心からか、重い病に臥せってしまう。
そこに美しい着物に目をつけたこの宿場にたむろする盗賊どもが宿に押し寄せ、常盤と侍従をみぐるみはがしてしまう。常盤は、「肌を隠す下着だけでも残すのが人の情け、さらなくば命も奪え」と叫ぶが、盗賊は常盤を刺し殺してしまう。侍従も同じ運命をたどる。その頃、平泉にいる牛若丸は、母の常盤がくり返し夢にうつつに現れるのに胸騒ぎがし、都へ向けて旅立った。
その途中、山中宿でそれとは知らずに母の常盤のお墓に遭遇した牛若丸。なぜかその場を離れがたく、その日は山中宿に泊まる。牛若丸が泊まった宿は奇しくも昨晩常盤の殺されたそのお宿。その晩、牛若丸の夢枕に常盤がたち、あだ討ちしてほしいと告げる。宿の主人からことの次第を知らされた牛若丸は、母の仇を討つ決意をする。牛若丸は、宿の女房の助力で盗賊をたばかりよせ、見事6人の盗賊を討ち取り、母の供養とした。そしてまた平泉に戻っていったのだった。
その後3年3ヶ月が過ぎたころ、立派な若武者となった義経は、十万余騎の軍勢をひきつれて平家討伐を目指し、平泉を出発した。その道中、山中宿に立ち寄った義経は、常盤の墓にお参りし、母を偲んで涙する。そして、宿の夫婦を呼び出して、昔のお礼に領地を与えたのだった。
協力:東京国立博物館、伊丹市教育委員会、みに·キネマ·福井、福井映像文化センター、世界救世教平安郷、京都清水寺、石清水八幡宮、鞍馬寺、吉岡映像設計事務所、保津川遊船企業組合、滋賀ロケーションオフィス、関蝉丸神社上社、石山寺、椿ハイツ瀬田川管理組合、梅村忠信、田中利和、米原町まちづくり課、山東町立柏原宿歴史館、関ヶ原町歴史民俗資料館、山田賢二、安部覚之、服部真六、世田谷区立羽根木公園、白幡神社、川嶋農園中尊寺、毛越寺、国土交通省東北地方整備局岩手河川国道事務所
【スタッフ】
原版編集:加納宗子、
製作助手:小笠原和宏
演出助手:佐藤斗久枝、
協力スタッフ:櫻井知之、太田敏裕、坂田純子、井手洋子、末武和之、近藤聖治
撮影助手:相馬健司、北條豊、河戸浩一郎、
照明助手:栗林身俊
アオイスタジオ、IMAGICA、岩波映像、映像サービス、シネオカメラ、島田プロダクション、松竹衣裳、TMK.報映産業、
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