2001年シネマ・オデッセイ 映画のポスターの20世紀展
1895年リュミエール,兄弟のシネマトグラフがパリで公開され、ここに芸術と大衆娯楽の王様、映画が誕生しました。以来1世紀あまりが過ぎた現在まで、映画は私たちを魅了し続けています。この映画の歴史を語るうえで切り離せないもののひとつに、映画ポスターがあります。現在のようにいたるところに情報があふれているわけではなかった時代、洋の東西を間わず街角に掲示されたポスターは、大衆が映画情報を得るための大切な手段となっていましたそして、ポスターというメディアも20世紀に大きく発達したのです。
ポスターは、大衆に広く告知するために、多くの場所に掲げる必要がありましたまた、それ自体が人目を引くものでなくてはなりませんでした。その条件を満たしたのが有名無名のデザイナーたちの活躍と印刷技術です.なかでも印刷技術は、デザイナーのイメージを印刷物として具体化、さらにそれを大量に生産するという大きな役割を果たし、映画文化、広くは大衆文化を形作る基礎となったといえるでしょう。
ロマンス、アドベンチャー、ミステリーなど、さまざまな夢を私たちに与えてくれる映画は、グラフィックデザイナーたちにとって、制作意欲を刺激しイメージをかき立てる創造の泉でした。 それゆえ、ときには映画製作者とポスター制作者の思惑がすれ違い、その表現について逸話を残したポスターなどもあります:今回の展覧会でも、そういったポスターをいくつかご紹介します。
また、映画で用いられていたモンタージュやカットバック、フラッシュバックといった映像ならではの演出、編集方法がグラフィックデザインの技法として取り入れられるなど、映画はグラフィックデザインそのものの表現の可能性を広げました。本展では、「ホラー&サスペンス」「サイエンス·フィクション」「ミュージカル&ロック」「グラフィックデザイナーたちの視点」といったコラムを交えながら、19世紀末の映画草創期から20世紀末まで、欧米映画史を彩り続けてきた作品約140本の才リジナルポスター160点を展示し、大衆と映画を結びつけるきっかけとなったポスターを通じて、映画の世紀-20世紀を振り返ります。
会期:2001年7月20日(金)~2001年9月2日(日)
休館日:毎週月曜日
開館時間:10:00-18:00(入場は17:00まで)
入場料:一般(中学生以上) 500円(400円)、小学生 200円
※( )内は20名以上の団体割引
※未就学児と65才以上、および障害をおもちの方と付添の方1名は無料
主催:印刷博物館/朝日新聞社
後援:(社)日本グラフィックデザイナー協会、ブリティッシュ・カウンシル
企画協力:The Reel Poster Gallery/MEM INC.
協力:日本航空
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