勝井三雄展 VISIONARY∞GENE+m

第7回亀倉雄策賞受賞
勝井三雄展 VISIONARY∞GENE+m

勝井氏は早くから写真技術を駆使し、今の時代を見越したデジタル感覚な作品を作りはじめました。現在のデジタル化社会の先駆者として、まさに視覚の地平を開いてきたのです。会場では受賞作品「視覚の地平visionary ∞ scape」ポスターのほか、昨年富山県立近代美術館で展示した「水を誌(しる)す」のインスタレーションの再現や壮大な歴史の移り変わりを時間軸で追った宇宙·地球史が凝縮された本「土の記憶」を、パネルと映像を使って展示、勝井氏の脳の中に入り込み、色·光·思考に迫ります。

亀倉雄策賞について
1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策氏の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、亀倉雄策賞が設立されました。この賞の運営と選考は社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が行い、毎年『Graphic Design in Japan』(今回『JAGDA年鑑』より改称)出品作品の中から、年間で最も優れた作品に対して贈られます。

亀倉賞は私にとって夢のような事件だった。以前田中一光さんから「勝井君は学生みたいな人だ」という評を亀倉さんの言葉として聞いたことがあった。それがどんな意味で言われたかは定かではない。『Creation』の最終号である20号のまえがきに、亀倉さんは「私の人生で本当に充実した幸福感がいっぱいにつまった5年間だった」と書いた。「編集者の視点」に徹した亀倉さんは自分の作品を掲載することはなかったが、1号から多数のデザイナーの作品を見ながら、それらの人々の作品の傾向が今現在著しく変化しているのに気づき、内外のデザイナーを選び、「人生の階段」というタイトルで最終号に掲載した。そして「編集者の視点」というエッセイの終わりに「そうして私は、人間の才能と努力とそしてチャンスの3つの点が作家の人生を決めてしまうという常識を改めて確信した。…..掲載したデザイナーの全部がこの3点をしっかりと掴んでいる。そうして弛むことなく、新しいチャンスに挑戦していく。その挑戦の繰り返しこそ、人生の階段を一段、一段と登っていくことにつながるのだ」と結んでいる。私はそのひとりに加えられ、その最終号の表紙を飾ることとなった。
あれから10年が過ぎ、2003年秋に作品集『勝井三雄·視覚の地平』として出版した。その後2004年秋、私のデザインの総体を展示する展覧会が富山県立近代美術館で開かれた。その折50年にわたる、グラフィックデザインの時代からヴィジュアレデザインへというメディアの変革による多様な種類の作品を振り返ってあらためてデザインの創造から展開に至る因果を見つめることになった。そこから、作品集とは違った視点で展覧会カタログ『視覚の領界』がまとめられた。その一連の創作の中で生まれた新作品がこの度亀倉賞に推挙され、亀倉さんの「生きざま」に敬意とこころからの感謝を申し上げたい。最高の栄誉であることは言うまでもない。
勝井三雄

会期:2005.5.9(月)- 6.3(金)
11:00 a.m. – 7:00 p.m. [水曜日は8:30p.mまで]
土·日·祝祭日休館
入場無料
主催:クリエイションギャラリーG8
共催:社団法人日本グラフィックデザイナー協会
亀倉雄策賞事務局
協賛:セイコーエプソン株式会社
熊沢印刷工芸株式会社
トリバイントレーディング株式会社
クリエイションギャラリーG8
〒104-8001東京都中央区銀座8-4-17
リクルートGINZA8ビル1F

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