KRAFTWERK 2004来日公演

2004年にクラフトワークが来日した際の東京公演の告知フライヤー。
2003年に17年ぶりの新作「ツール・ド・フランス」をリリースしワールドツアーを行っていた。ちなみに当時私も見に渋谷アックスへと足を運んだ。

ミニマムなデザイン

メンバー4人の姿がワイヤーフレーム状の極めて少ない要素で描かれており、要素を極限まで削ぎ落とした彼らのコンセプチュアルな音楽性とリンクするデザイン。
文字情報は少なく、小さな日本語コピーと日時だけ。正にMinimum-Maximumなフライヤー。ここまで要素が少ないなら日本語コピーもいらなかったのでは?とも思う。
ワイヤーフレーム状のメンバーのイラストだが、この頃のライブではもっぱらこの服を着用していた。この服、ワイヤー部分が暗闇で光る仕様なのである。
実際に目にすると人間なのにどこかポリゴンぽいというかロボットっぽいSF感のあるビジュアルになる。メンバーの後ろに巨大スクリーンがあり、本当にワイヤーで描かれたメンバーのCG映像が流れるステージとなっていた。2005年にはMinimum-Maximumとしてフライヤーと同デザインのライブCDが発売されており、フライヤー〜衣装〜ライブ映像〜CDジャケットへとトータルで設計されたビジュアル展開が極めてコンセプチュアルであり、音楽だけではないクラフトワークの魅力につながっている。

レトロ・フューチャーを感じるタイポグラフィ

フォント周りの表現だが、KRAFTWERKの文字を電子機器風のフォント(7セグメントディスプレイ)で表記している。
2004年の段階でもデジタル感=7セグメントディスプレイという認識がもはや古いのだが、そもそもクラフトワークの最新テクノロジーを表現した楽曲群(例えばDENTAKUやHome Computerなど)が別に最新のテクノロジーでもなんでもなくなった現在において、レトロ・フューチャー的世界観でクラフトワークを表すことは間違いでは無いように思える。
またKRAFTWERKの文字以外の部分も角ばったフォントでデジタル感を演出。日本語と英語でフォントは違うのだが、それほど気にならずに一つの画面内でマッチしている。

紙の質感がテクノ

色すらも排除し、完全にモノクロというのも新鮮。色味こそ排除されてはいるが紙がPP加工されており、蛍光灯の下で見ると光でピカピカと反射して決して寂しい印象はない。
手に持った質感は非常にツルツルしており、無機質な工業製品を触っているような感覚がありテクノ的な世界観が演出されているように思う。

余談

2002年にElectraglideという大型イベントにもクラフトワークは来日している。
その頃ふと深夜のテレビを見ていたのだが(多分テレビ神奈川だったと思う)エレクトラグライドのクラフトワーク出演告知のCMが流れた。映像ではロボットのMVが流れ、「テクノゴッド、クラフトワーク来日」といったナレーションが流れた。そのCMのナレーションの声がスターウォーズのC3POの声(もちろん吹き替え)だったのだ!。この組み合わせの調和性は筆舌に尽くし難く、スターウォーズも好きな私としては盆と正月が同時に訪れたような喜びと衝撃に見舞われた。youtube等で探してもまったく見つからず、もしかしたら深夜だったし寝ぼけていただけかもしれないが、もしこれをみてる誰かが録画していたらぜひアップしてもらいたいと願うばかりである。

2019年の来日時のフライヤーはこちら

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