スーパー狂言 クローン人間ナマシマ

科学技術の進歩はめざましいものがあります。それもクローン技術は超スピードで進んでいて、ドーリーといえばクローン羊と、知らない人がいないほど有名なニュースでした。あれから6年、いまその時の衝撃を超える新たな驚愕の事実が明らかになります。
それは、クローン人間の誕生ですスポーツの世界、それも野球界で起こりました。
東京ジャイガンツにはマツキ、キヨウミ、タカガワという主砲が揃っていました。ところがメリケン国グランドリーグのスカウトにことごとくスカウトされてしまったのです。困ったジャイガンツの社長は知り合いのキートン博士のことばにのりクローン人間製造を依頼してしまいます。それもかつての名選手、名監督でいまは引退しているナマシマ前監督のクローンをです。恋は盲目と申しますが、ナマシマ選手にあこがれジャイガンツに入った社長にとってまたとない悪魔の囁きだったのです。
そしてナマシマ前監督のひと房の髪の毛から出来たのはピッチャー、キャッチャーを除いた全部で7人、若き日の最強4番打者、ピチピチのナマシマ選手達です。まさにスーパースターの復活です。クローン選手たちの活躍でオープン戦は大勝利、ジャイガンツの優勝間違いなしと喜ぶ社長とキートン博士ですが、世の中の常でそんなにうまいこと運ぶわけがありません。儲けは強欲なキートン博士の夫人にしっかり取られてしまいます。
科学技術の発展は近代の人間の文明を豊かにさせてきましたが、人の心も豊かになったのでしょうか、さーてその正負の代償は?スポーツの世界を窓口に、クローン人間への風刺をピリリと利かした梅原猛のスーパー狂言です。演出を80才にしてますます冴えわたる奇才·茂山千之丞、装束デザインを空間デザインにまでのばす鬼才·横尾忠則がつくる、明るく楽しくそら恐ろしい世界。
あわせて満開の桜の下、宴に興じる狂言「花折しも上演いたします。

国立能楽堂狂言特別企画公演
国立能楽堂委嘱作品·初演
梅原猛/作
茂山千之丞/演出
横尾忠則一/美術·装束
平成14年4月12日(金)2時-6時開演
13日(土)1時開演

YEAR
2002
GENRE
演劇
SIZE
A4
TASTE
シュール
COLOR
GREEN

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