劇団チョコレートケーキ 企画公演ドキュメンタリー

海外の芸術祭への招聘など、国内外から注目が寄せられる劇団チョコレートケーキの公演フライヤー。

衝撃的で洗練されたビジュアル表現

まずのっぺらぼうの顔が強烈な印象を放って目に飛び込んでくる。
こののっぺらぼうの写真もしっかりとしたライティングにより奥行きを感じる写真になっておりクオリティが高い。演劇系のフライヤーでたまに見かける完成度の低さは感じられない。
顔のパーツがない人物が何を表しているのか?演劇を見れば分かるのか?思わず手にとって詳細を知りたくなる。

タイポグラフィ表現

「ドキュメンタリー」の題字も昨今のトレンドである書き文字で表現しつつ、画面全体に動きを加える要素になっており、棒立ちの人間の写真にリズム感を与え、退屈な印象を払拭している。

補色対比を利用した色彩

コピー部分(その感染経路の一つは「薬」の部分)をビビットな赤を置くことで強いアイキャッチとなり、コピーの存在感を際立たせる。
また、背景の緑色に対して赤色が補色関係となり画面がのっぺりとした印象にならず、緊張感のある強い画面になっている。
のっぺらぼうが画面内にいても、のっぺりとした印象にしないデザイナーの巧みさが伺える。

裏面の写真にもドラマがある

ほとんどモノクロで構成された裏面。社会的な思いテーマを扱う公演なだけに重厚感のある表現である。
裏面の写真だが右の2人はこちらを睨んでおり、一番左の男性は目をそらしている。ここにも演劇内で繰り広げられるドラマと関係があるではないかと思わせ、ストーリーに奥行きを感じるものとなっている。

詳細情報

1985年、後天性免疫不全症候群いわゆるAIDSの脅威が日本の水面下に拡大しつつあった。とある製薬会社の社員の一人がジャーナリストに内部告発を行う。そしてジャーナリストと社員は日本医学界の深い闇を知る・・・

脚本:古川健
演出:日澤雄介
出演:浅井伸治/岡本篤/西尾友樹
劇場:小劇場 楽園 (世田谷区北沢2-10-18 藤和下北沢ハイタウンB棟 地下1階)


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