ドイツ・ポスター1890-1933 PLAKATE

19世紀末に創刊された美術雑誌『パン」や『ユーゲントそして1920年代パウハウスのグラフィック·デザインはすでに当時から日本でもよく知られていました。しかし、ドイツにおけるグラフィックとりわけポスターの発展と展開を紹介したような展覧会は、これまで開催されてきませんでした19世紀末にはフランスを中心としてロートレックなどのいわゆる「絵画的ポスター」が脚光を浴びますが、その動向ならびにイギリスからの影響を受けて、ドイツでも1900年頃から近代的なポスター、つまり画とテキストが融合した新しい視覚媒体への関心が高まり、第一次世界大戦前に最初の黄金期を迎えます。その際に特徴的なのは、19世紀的な「絵画的ポスター」から、ベルリンを中心としていわゆる「ザッハブラカート(即物的ポスター)」が台頭してきたことです。中でもベルンハルトはその代表的作家として、広告ポスターの基本要素を三つのパーツ「画·背景·テキスト」に還元し、美的でありながら瞬間的な内容伝達を可能にする新たな画面構成を創造しました。例として1908年に靴販売店「シュテイラー」のために制作されたポスターなどが挙げられます。新しい芸術分野であったポスターは、商業活動と結びつき急速にその裾野を広げていきました。熱心な個人コレクターも登場し、ベルリンの医師ハンス·ザックスは1905年に「ポスター愛好者協会」を設立し、雑誌『ポスター(Das Plakat)」を主宰して、この新興芸術の普及に努めています。広告ポスターで発揮された高い伝達能力は、政治分野においてもプロパガンダ·ポスターとして利用されることになり、第一次世界大戦中には一連の戦争ないし銃後のポスターが、戦後には政治的(政党ポスターが製作されました。その時、メッセージの伝達性という目的においては、広告とプロパガンダの境界は極めて曖昧なものとなり、そしてこの両分野における経験を背景に、ヤン·チヒョルトなどの新たなデザイナーたちによって、ドイツのポスターは第二次世界大戦前、第二の黄金期を迎えることになるのです本展覧会ではさらに、「カルピス」の国際懸賞広告ポスターや杉浦非水を中心とした「七人社」の活動など、同時代の日本におけるドイツ·ポスターの受容·展開を示す作品·資料を加え、ドイツ近代ポスターがもつ魅力と先進性を、国内外から集められた約180点で多角的に検証します。

会期:2008年2月26日(火)~3月30日(日)
休館日:毎週月曜日
主催:京都国立近代美術館、読売新聞大阪本社、読売テレビ
後援:大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館、京都ドイツ文化センター、
社団法人日本グラフィック・デザイナー協会(JAGDA)、日本デザイン学会
協賛:ビーバンジョア
特別協力:竹尾
協力:ルフトハンザドイツ航空、ルフトハンザカーゴAG、白木屋画材額縁店
助成:ポーラ美術振興財団

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