ユトリロ展
モーリス·ユトリロ(1883年-1955年)は女流画家シュザンヌ·ヴァランドンの私生児として、パリのモンマルトルで生まれました。印象派を初め、多くの芸術家たちが闊歩したモンマルトルで育ったユトリロでしたが、絵筆を取ったそもそものきっかけは、寂しさゆえに陥ったアルコール依存症の治療のため、という一種の気晴らしに過ぎませんでした。しかし、ユトリロの描いたパリ、中でも生まれ育ったモンマルトルを描いたその作品は、孤独な内面を反映したかのように、深い哀愁と詩情が漂い、今もなお、見るものの心を捉えているのです。この展覧会では、まだ絵を描きはじめて間もない初期の作品から、ユトリロの代名詞ともいえる白の時代の作品、そして画壇の流行児として名声を得、次第に華やかさを増していった晩年の作品まで、日本初公開のものを含む、約80余点を展示し、モンマルトルの画家ユトリロの、憂愁から栄光までの生涯に迫ります。
会期:2002年4/20~6/9
会場:安田火災東郷青児美術館
主催:安田火災東郷青児美術館、日本経済新聞社
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